大きな家族が自然とひとつになる時間と、
各自が過ごす時間がバランス良く。それがecomoの目指したプラン。
山や畑に囲まれ、燦々と降り注ぐ日差しの中に佇んだ板張りの家。それはまるで、懐かしい小学校の校舎を思わせるたたずまい。幼き頃の思い出がふと蘇る雰囲気を醸し出している。
それもそのはず、施主のKさんは新居の随所に昔住んでいた家の面影を散りばめたからだ。リビングの障子や土間の玉砂利、縁側のようなデッキは、昔の様相を現代風にアレンジ。横長の形状も、以前の平屋を模したデザインに。
思い入れの強い旧家の印象を新しいスタイルへと変えたのは、設計を担当したecomo(エコモ)の技術である。Kさんの作りたい家を把握し、独自の美的感覚と視点をプラスして、住まい手の好みを凝縮した家に仕上げたのだ。
Kさん4人家族とKさんのお父様、お姉様が暮らす家の重要なポイントは、6人それぞれの快適性、つまりプライベートの確保だった。これは、お姉様の部屋につながる階段と、Kさん世帯のスペースにつながる階段という2つを分けて設置することで対応した。
「思いもよらない工夫に驚きましたが、生活時間帯の違いなどを気にせず日常を送れます」と奥様。「でもリビングに集って一緒に過ごす時間も多いのですよ」と笑って話してくれた。大きな家族が自然とひとつになる時間と、各自が過ごす時間がバランスよく整えられる家、これこそまさにecomoが目指したプランだった。
家を建てるための勉強をしたというKさんの要望は多岐に渡った。薪ストーブや引き戸、照明やスイッチ盤。奥様はセルロースファイバーの断熱材を希望していた。
ecomoさんは、私たちの要望を詳しく聞き、分かりやすい形で提案してくれました。だから任せてみようと決断できたのです。その結果、好きなものをすべて取り入れてもらえ、さらに美しく住みやすい家にしてくれました。家全部がお気に入りです。」と満足気に話すKさんと、その傍らでうなずく奥様。住む側と造る側では見えるポイントが違う。それを上手く融合させることで、住まい手の思いに沿った様式美、さらに機能美をも備えた家が完成するというわけだ。